Battle❤Extra edition ロキ
「あ~疲れた~~~」
落ちてきた黒い塊に吹っ飛ばされてがれきの山に埋もれたつくしと司。おかげであちこち擦り傷だらけだ。蜘蛛の糸に絡め取られて、卵みたいな殻に閉じ込められて転がされていた3人はべとべとだ。白魔法を装備しているつくしは、必死でみんなの手当てをした。
怪我はなんとか治ったものの、全員疲労困憊。エネルギーは枯渇している。
「はあ・・・おなか空いた・・・」とつくしちゃん。
「ううっ、ネズミが・・・クモが・・・」と魂がどこかへ飛んでるあきら。
「ふーん、こういう武器があるんだな」と装備をチェックしている総二郎。
「おい、どっか休憩場所はないのか」
「ん。あるはずだから聞いてみる」
ピピッ『ソコカラスグノトコロニ、ホテルガアリマス。ソコデキュウケイシテエネルギーヲカイフクシテクダサイ』
「おいっ、マムシ!俺様たちが泊まれるような所なんだろうな!」
『マ・・・マ・・・マムシって何よ!アタシはMAMUS!【究極のシステムの壮大な全能のマシン】って意味なんですからね!そこらへんのヘビと一緒にしないでちょうだい!』とドスの利いた声で言う。
「へえー、全能なんだー。じゃあ、豪華なホテルに泊まれるのかな?」とのツクシの声に、「そりゃ、そうだろ?俺たちに合わせるなんて、簡単だろうし、な?」
「どうなの?マムシ?」
『だから、MAMUSだってば!もう・・・。5分ほど歩いたところに、メープルがあるわよ!そこに泊まればいいでしょ!』
***
「はああ、生き返った・・・」
5人ともシャワーを浴びて着替え、食事を取った。実際の所、何を食べたのか今ひとつよくわからないが、満腹したことは確かである。あのあきらでさえ、文句を言わずに食べたのだから、よほどおなかが減っていたのだろう。
クローゼットの中に着替えはおいてあったし、この部屋はまさにF4仕様。もしつくしだけだったなら、どんなホテルに泊まることになったやら。このスイートルームは、放射線状に5つ部屋があり各部屋にバス付。その中央部には居間と食堂があった。
「なあ、ここのサービスは誰がしてるんだ?」
「マムシ?」
『・・・アタシよ!バーチャルキャラを統括してるの!支配人もいるわよ。そろそろ挨拶にくるんじゃない?』
思わず、ぎくっとなるつくしたち。
「メープルの支配人と言えば・・・それは・・・」
コンコンコン。
「失礼しますよ」
「「「「「えーっ!!!!」」」」」
「タマさん!」
「タマ!」
「あ、これって、参加者の頭の中のデータベースから引っ張ってきてるから」
「なら、タマじゃなくて、楓社長だろ?」
「・・・牧野のせいじゃない?」
「じゃ、このホテルについて説明しようかね」
・ホテルに泊まると、体力を回復することができる。ただし、泊まるところのレベルは、本人の持っているコインによる。
・ホテル内にはいろいろな売店があり、またいろいろなキャラクターによるサービスも受けることができる。
・基本的にゲームの中で見かけるキャラクターは、本人の脳内データベースの中から抽出される。
「・・・まあ、こんなとこかね。またわからないことがあったら、聞きにきな」
そう言って、タマ支配人は去って行った。
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