Comedy

Comedy 11話 類の場合 やこ






●もしも類と結ばれたら…


「牧野のこと、好きだよ」
「花沢類…嬉しい…」

クジ引き?アミダ?
よくわかんないけど俺たち4人が牧野とかわるがわるデートをした結果、結局牧野は俺を選んでくれた。

俺は4人の中でも一番多く牧野とふたりきりの時間が持てたわけだけど、白髪抜きをすればマスベと勘違い、車の運転をセックスと勝手に勘違いされて他の3人に結局邪魔される。

散歩しながらまったりとした時間を過ごしていれば、牧野お手製のクッキーをハトに奪われ糞まみれになるとか散々なデートばっかりだった。

正直、本気で牧野に告白してもOKの返事がもらえるなんて思ってなかった…。
他の3人の誰を選んでも親友の彼女になることには違いない。
結婚するとなれば一生牧野とは友達でいられる。

不毛だと言われても俺はそれで構わなかった。

決心した、というよりは自然に口に出た告白。
返事はどんなものでもよかったのに、牧野は俺を選んでくれた。

そしていま、ふたりの心が通じ合ってからはじめて、牧野のアパートでのんびりとした時間を過ごしている。

誰にも邪魔されないふたりだけの時間。

こんなにも心地いいとは思わなかった。

牧野が狭いキッチンに立てば、俺は後ろから彼女を抱きしめ、顔をこちらに向かせてキスをしたり、イタズラしてみたりする。

「もう、ほんとやめてよ、危ないなぁ」

そんなこと言っててもイヤじゃないよね?牧野。

俺は面白くて、再び強引に牧野の顔を思いっきり後ろに向ける。

グギッ

「イダッ!!!」

ヤバ、ちょっと強引に角度を変え過ぎた…。
痛いのかな…笑顔が歪んで引き攣ってる…牧野こんなにブスだったっけ?

別に欲しいものがあるわけじゃない。
ただ牧野と一緒にいられれば俺は幸せ。

今日はどこにも出かけず、この狭苦しい牧野のアパートで過ごそう。

でもね牧野。

そんなにバカみたいにチョコマカ動かなくてもそこに座って笑ってればいいのに。
※つくしは類を退屈させないようにといろいろ気を使って動いています。

「牧野、座ってなよ、そんなに動き回られたら俺が落ち着かない」

牧野がこれ以上動き回らないように、俺は自分の頭を牧野の太ももに乗せて寝転がった。

ああ、気持ちがいい…。

「なんかいいね、こういうの」
「そ、そう…?なんかキンチョーするんだけど…」
「なんで?」
「なんでって…」

こんなに心地よくてリラックスできるのに、なんで牧野は緊張してるんだろ。
先にトイレにでも行かせてあげればよかったのかな。
でももう動けないよ…。

俺はゆっくりと目を閉じる。

牧野の緊張?も解けてきたのかな…俺の髪を撫でたり頬に手を当てたりしていい感じになってきた。

あ、気持ちいいのになんか眠くなってきた…。


***


牧野の唇って柔らかい。
つい食べたくなって軽く歯を立てると胸をトンと叩かれる。
もうどんな牧野も愛おしくて、つい虐めたくなるんだよね。
キスをしながらわざとベッドに追い詰めた。

「あ…」

期待してるでしょ、牧野。
それじゃ期待通りに押し倒してあげようか。

ずっと密着している唇をそっと離して耳たぶへ。
耳から首筋、首筋から鎖骨…。
ああ、我慢できなくなりそう。

いいよね牧野?俺の牧野になったんだし。

もう我慢しない。
全てを俺のものにするんだ…。

牧野もそのつもりでしょ?
だから俺の唇が胸に向かえば俺の髪を搔き乱して喜ぶんだよね?

牧野の赤い実にもうすぐ到達するよ…。

どれだけ緊張してるの?優しくするってば。
緊張していると思えば俺の頭を持ち上げて、再びフワリと包み込む。

おっと意外に強引だね。

こうなったらめちゃくちゃにしてやろう。

俺は牧野の着衣を無理矢理剥ぎ取ると、狂ったようにむしゃぶりついた。
何かが頭に当たったのをかすかに感じたが、もうどうでもいい…。


***


あれ…?

ゆっくりと目を開け自分の様子を見ると、牧野と激しく愛し合ったはずなのに、服は着たままだし、体にはタオルケットがかけてある。

働かない頭でなんとか記憶を手繰り寄せると、どうも牧野を狂ったように抱いたのは夢の中の出来事であって、俺は牧野の膝枕で寝てしまったみたいだ。

なんだ…夢か。
でもま、いっか。

牧野とはゆっくり進めていきたい。
しかしリアルな夢だったな…。
牧野が俺の頭を激しく搔き乱す感触が今でも残ってる。

そして牧野の太ももに触ろうと手を伸ばすと、柔らかくて弾力のある何かに手が触れる。
コレ、本物の枕だよね?

「花沢類?起きたの?」

牧野の声が耳元…じゃなく少し離れた場所から聞こえてくる。
寝ている間に膝枕を外して、家のことでもしてたのかな。
退屈させてたのかも。
あまりにも気持ち良くて寝てしまったけど、このクセも直さなきゃね。

あれこれボーっとしながら考えていると、牧野の足音が近づいてくるのがわかった。

「ごめん、洗濯物取り込んでそのままになってるから邪魔だよ…ね…」
「…ん…?」
「…」
「…なに?」

俺を見る牧野の顔色がヘンだ。
青くなったり赤くなったり忙しい。

「どしたの?」
「…その頭のもの…とりあえず外そうか…」
「あたま…?」

右手でそっと頭を撫でると布のようなものを被っている。
帽子なんて被って寝たっけ?
外して目の前で広げると、小さな逆三角形の布切れが。
両端の鋭角にリボンがついてて可愛らしいけど紫色でセクシーなモノ。

ああ、牧野のパンツか。

「なんでこんなもの頭にかぶって寝てんのよ!!!バカッ」

真っ赤な顔をした牧野が俺の手から急いでパンツを奪い取った。

「いいじゃん、どうせそのうち見るんだし」
「そういうこと言うな!!!」

どうも機嫌を損ねたらしく、その日はアパートを追い出されてしまった。
どうしてこうなった?

どこでも寝るクセ、そろそろ直そうかな…。
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