最終話Rui orAkira

🌷Romance🌙 最終話 類orあきら komaGipskrÀuter








たるで䜕事もなかったのだず錯芚を起こしそうになるほど
たき乃には平穏な日々が戻っおきた。

でもあの事件があったからこそ
぀くしの心の䞭に人の男の姿が浮かぶきっかけになったのだ。




あの襲撃事件。

぀くしはある答えにたどり着いた。
あの日の事件は確かに぀くし絡みのものだった。けれども埡曹叞である人の誰かず付き合うずいう事はこういう危険ずも垞に隣り合わせなのだず
身をもっお知るこずずなっおしたった。

今でも思い出すず䜓が震える。
だけどどうしおだろう。
それを理由に人から離れようずは぀くしは思わなかったのだ。

いや、むしろ 
そんな䞖界にいる事を感じさせないほど
優しい県差しを向けおくれる人を自分が支えられたら、ず思ったのだ。
぀くしを想い、身を匕こうずした人の蚀葉は぀くしの心をくすぐった。


「忘れおくれ」
プロポヌズを䞀旊取り䞋げたあきら。

「無理に遞ばなくおもいいから」
電話口で静かに語った類。


぀くし自身、その時は気付いおいなかったがその小さな倉化は぀くしの心を
人から人ぞ、人から人の男ぞず向かわせおいたのだ。



ポヌン、ポヌン 


新装したたき乃の壁にかけおある時蚈が
時を知らせる音でランチ営業の片づけを終え、
人物思いにふけっおいた぀くしをハッずさせる。


「わっもうこんな時間倧倉早く支床しなくちゃ」
時蚈を芋お慌おお店から自分の郚屋ぞず戻った。

぀くしが慌おる理由は
今日は倢子からディナヌに埡呌ばれされおいたから。

時に矎䜜邞の玄束なのだから本来ならそろそろ
戞締りをしお出かける予定の時刻だずいうのに

平穏な毎日が戻った今、
぀くし自身にもハッキリず芋えるようになった
心に映る人の男の事を考えおいるうちに
぀い぀いこんな時間たでボヌっずしおしたっおいたのだ。


「 倉じゃないかな」
慌おお支床を敎えた぀くしは
玄関を出る前に姿芋で最終チェックをするず、
玍埗したように小さく頷いおドアを開けお飛び出した。

ず、すぐにポスッず䜕かにぶ぀かる。
「 っお」
「 ぶっ」
同時に䞊がった぀の声。

その声に぀くしは誰かにぶ぀かったのだず理解し
「すみたせんっ」
ず顔を䞊げたそこには

「ベル抌そうずしたら飛び出しお来るからビックリした」
ず可笑しそうに笑う類が立っおいた。

「類っ」
「予定倖に時間が空いたから寄っおみたんだけど 出かけるの」

初めお䌚った時にビヌ玉のように綺麗だず思った瞳に
芗きこたれお぀くしの頬は赀く染たり、
たった今、姿芋を確認したばかりだずいうのに
どこか倉な所はないだろうかず恥ずかしくなる。

「え っず、倢子さんず玄束しおお」
「 ぞぇ」

「っお、時間ないんだった
 花沢類、せっかく来おくれたのにゎメンね」
぀くしがカギを取り出し戞締りをするず
類はひょいっず぀くしのショルダヌバックを圌女の肩から抜き取る。

「俺も行こっかな」
「え」

「ちょうどあきらに甚も出来たし」
「ほぇ」

「 ダメ」
ポカンず口を開けたたたの぀くしに小銖をかしげたのはもちろんわざず。
぀くしが自分のこの仕草に匱い事などすでに知っおいる類は
こうすれば぀くしがダメだず蚀えないず蚈算枈みだ。

そしおその予想通り
「 ダメ、っおいうか、倢子さんに聞いおみないず」
ず぀くしは照れたように芖線を泳がせる。

「あきらの所なら倧䞈倫だよ。ほら、車で送るからおいで」
぀くしの返事も埅たずに手を取るず楜しそうに歩きだす類に
぀くしも困ったような顔をしながらもクスッず笑っお぀いお行く。



矎䜜邞に着くず、倢子に絵倢、芜倢ず
仕事を切り䞊げ垰っおきおいたあきらが埅ち構えおいたように出迎えた。

「぀くしちゃん、類君も。いらっしゃい。今日はゆっくりしおいっおね」
぀くしず、突然珟れた類にもニッコリず笑顔を向ける倢子の隣で
「「぀くしお姉さた、いらっしゃい」」
ずそれぞれ぀くしを取り合うように巊右の腕に絡み぀き奥ぞず誘導する双子。

「 類なんだよ急に お前は呌んでないぞ」
「んちょっずあきらに蚀いたい事あっおさ」
垰れずでも蚀いたそうなあきらの衚情も無芖しお
クスッず笑う類の様子にあきらはどこか䜙裕のような物を感じお居心地が悪い。

あきらは䞀床は保留にしたプロポヌズを
今日改めお出来れば 。そう思っおいた。

それなのに車を降りた人は手を繋いでいた。
もしかしたらもう遅かったのか ず焊らずにはいられないのだ。

しかしただ決たったわけではない、
たずえ遅かったずしおも自分の気持ちだけは䌝えようず
自分に蚀い聞かせるようにあきらは倧きく息を぀く。


「で蚀いたい事っお」
ずっくにリビングぞず行っおしたった女性陣の埌を远うように
歩きながら聞いたあきらを、足を止めおじっ ず芋぀めおくる類。

「  な、なんだよ」
長幎䞀緒に過ごしおいれば類が芋た目通りの玔心無垢な男ではないず
よく知っおるはずのあきらでさえ、その県差しに思わずたじろぐ。

「   。」
「は、早く蚀えよ」

「ハゲ」
「はっ!?」

あたりに突拍子もない蚀葉にあきらが呆然ずしおる間に
類がククッず肩を揺らしながらリビングぞず歩いお行く。

あきらがリビングに぀く頃には
類は䜕事もなかったかのように぀くしの隣に座っおいる。

壁にかけおある鏡で思わず頭皮をチェックしおいるず
「あきら君どうしたの」
ず玅茶を運んできた倢子に銖をかしげられ
類がククッずたた笑っおいるを芋お

さっきの蚀葉の真意はわからないにしおも
事実ずしお指摘されたわけではないずあきらは悟る。
「いや、なんでもないよ」
ずクシャクシャっず髪を掻いお類ずは反察偎の぀くしの隣の垭ぞ座る。


ディナヌを終えた頃、類は仕事が入っおるず垭を立ち、
぀くしは玄関たで芋送りぞず぀いおいった。

倢子ず効たち、そしおあきらだけずなったリビング。

「お兄様、い぀になったら぀くしお姉さたずお付き合いするの」
「ぐずぐずしおたら類お兄さたに取られおしたうわ」

「こら。あきら君を責めちゃダメよ。
 それに私は぀くしちゃんは匷匕さだけじゃダメだず思うの。
 あきら君もそれがわかった䞊で動いおいるのよね」
双子を宥めながらも぀くしを逃す事は蚱さないずばかりに
チクリず釘をさす倢子にあきらは苊笑いしか返せない。

もちろん぀くしは手に入れたい。

だけど、自分は人の䞭で最も危険に近い男だ。
圌女をい぀たた今回のような事件に巻き蟌むずもわからない。

そんな自分が圌女の枩もりを求めおいいのか 。

そう自問自答を繰り返すあきらが぀くしを諊めきれずにいるのは
わずかでも垌望を䞎え、改めおプロポヌズをせずにはいられない出来事が
プロポヌズを忘れおくれず蚀ったあの倜にあったから 。




「おやすみなさい。たた明日」
そう蚀った぀くしに背を向け
“たた明日”その蚀葉を噛みしめた自分の服の裟を぀くしは掎んでいた。

「 牧野」
䞍思議に思っお振り返るず、぀くし自身無意識だったのだろうか
「え 。あれっ䜕やっおるんだろう、ごめんなさい」
ずパッず手を離し、恥かしそうに顔の前で぀くしは手を振っお
なんでもないず笑った。



あんな事があったんだ。
いくらここは安党だず蚀われおも心现いに決たっおる。

だからただ、誰かにそばにいお欲しかっただけかもしれない。

そう思いながらもやはり
圌女の䞭に自分がいるのではないかず期埅せずにはいられなかった。

そしお、今日。

類ず぀くしを芋おいお感じたのは
類が぀くしの答えをすでに知っおいるのではないかずいう事。

そう考えるず
いきなり「ハゲ」ず倱瀌な蚀葉を济びる事ずなった理由すら
遞ばれた自分ぞの単なる嫉劬だったんじゃないかず
自分にずっお郜合のいい意味の物に倉換する事も出来るのだ。


぀くしがリビングぞ戻っおくるず
倢子たちの姿はなくあきらだけだった。

「あれ皆さんは」
「あぁ、効たちが眠いっお蚀いだしたから寝かし぀けに行ったよ」

「あ 。あたしったら遅くたでごめんなさい」
「気にしないで。
 久しぶりに牧野に䌚えたのが嬉しくおはしゃぎすぎただけだから。
 たた遊んでやっお。それよりデザヌト食べないか」

あきらに促されお垭に぀いた぀くしの前には
倢子特補の矎味しそうなケヌキず玅茶が眮いおあった。

「わ。矎味しそう」
目を茝かせお喜ぶ぀くしにあきらも優しく埮笑む。

「ふふっ 。やっぱりいいなぁ、矎䜜さんのお家」
ケヌキを頬匵りながら぀くしが笑う。

「 ケヌキが毎日食べられるから」
からかうように聞き返すあきらは
぀くしの口元に残ったクリヌムを指ですくう。

その仕草に頬を少し赀くした぀くし。

「違うっ。 あ、やっぱりそれもあるけど。
 倢子さんや絵倢ちゃん、芜倢ちゃんず
 それを芋぀めおる矎䜜さんを芋おるずね。
 い぀か い぀かね。私もこんな家庭を築けたらなぁ っお憧れる」

うっずりずした衚情で話す぀くしを芋おいるず、
぀くしが芋おいる未来に自分の姿がある事を願わずにはいられない。

「 牧野。奜きだよ」
自然ず口を぀いお出おいた。

その蚀葉にハッずしたように぀くしがあきらを芋䞊げた。

「牧野がそうやっお笑っおられる家庭を
 䞀緒に築けたらな っお俺は思うんだけど ダメかな」
優しく埮笑むあきらにしばらく芋惚れるように黙っおいた぀くし。

「  それもたた、あずで保留ずか蚀いたす」
「えっ !?」
぀くしの蚀葉に䞀瞬、ぎょっずしたものの
自分を芋据える倧きな瞳は自分の蚀葉を埅っおいるように感じた。

「蚀わない いや、もう蚀えないのかな。
 俺の家がこんなでも、たずえこの先䜕があっおも
 牧野ず 家族を守っおいける力を぀けるから。
 牧野がそばにいおくれるなら、どんな事だっお出来る気がするんだ」

どんなに悩んでも結局は぀くしが欲しいず答えはい぀も決たっおいた。
ならば、圌女を守れるだけの力を぀ければいい。

幞せになるこずを諊めたくない。

改めおのプロポヌズの答えをじっず埅぀あきらを芋぀めおいた぀くしはフッず衚情を緩たせるず

「よろしくお願いしたす」
ず頭を小さく䞋げた。

幞せそうに笑うその顔にあきらの心にも幞せが広がっおいく。

「 あ。ただクリヌム぀いおる」
぀くしの頬に手を䌞ばしながらあきらが蚀うず
「え っ。やだ、恥かしい どこ」
ず぀くしは指を口元ぞずやりクリヌムを探す。

そんな仕草にクスッず笑うず
「ここ」
あきらは぀くしの顔を匕き寄せ口元をペロリず舐め䞊げた。

「ひゃっ 」
小さく声を䞊げた぀くしの額ず自分のそれをコツンずくっ぀け
倧きく芋開いた瞳を芗き蟌む。

「ごめん。矎味しそうだったから」
むタズラっぜく笑うあきらに぀くしもすぐにクスリず笑うず
今床は぀くしからチュッず小さく口付けた。



 fin 
拍手ありがずうございたす♪